会場は、上海交通大学の中にあった。
上海交通大学は、復旦大学とともに上海の名門大学と言われている。
私がHSKクラスを受けていた語学学校からは、結構たくさん受ける人がいたので、
先生がツアコンのように我々受験者を会場まで連れて行ってくれた。
至れり尽くせり、という感じである。
教室にはいると「鞄などの持ち物は全部教室の前に置け」と言われる。
筆記用具や時計など、試験に使うことが許可されているもの以外は、
自分の座る机のところにすらおいておけず、教室の前に広げられた敷物の上に
置かなければならない。
なかなか厳格だ。
カンニング防止のためには効果があると思うが、これは教室が比較的小さいから
出来るオペレーションであって、日本の大学受験みたいに巨大な教室では難しいだろう。
机には、聞き取り用のヘッドフォンが置いてあり、
「きちんと音が聞こえるかどうか確認してください」と言われる。
ワイヤレスのヘッドフォンだったので、ちょっと感動した。
スイッチをオンにすると、音が聞こえ、音質も問題なかった。
他の受験者でヘッドフォン交換を要求していた人もいたので、
それなりにトラブルもあるようである。
その後、試験が始まるのだが、問題は最初から最後まで全く休憩がないことだ。
まず、途中でトイレに行きたくならないように、試験前はコーヒーを
飲んだりしないように気をつける、とかが私の場合は必要だった。
また、全部で3時間近くかかる試験を休憩なしでやるのが、
集中力の持続、という点でとても厳しい。
高校時代なら、こういう長時間試験にも慣れていたと思うが、社会人に
なってからは「2時間以上一つの場所にいて集中し続けなければならない」
機会はゼロだから。
終わったら、教室の前に置いてある自分の持ち物を各自とって帰る。
後は結果が出るのを待つだけだ。