2012年11月30日金曜日

上海マラソン2012 (1)

諸般の事情で上海マラソンに参加することになった。

いま、日本ではかなりランニングが流行っているようなのだが、
私は昔から走るのは嫌いである。

マラソンやっている人によると、やはり「ランナーズハイ」みたいな状態は
あるらしいので、そういうのを一度体験すると気が変わるのかもしれないが、
私はそういうことにはならないと思う。

というのは、私は以前からひざを痛めており、
ある程度の距離を走ったらもう走れなくなり、
歩いてゴールに向かうかもしくは途中棄権することが
分かっているからだ。

ちょうど来た市バスに乗るために、
停留所まで10メートル走っただけで既に痛いのである。
長距離なんか走れるわけがない。

なのに、なぜ参加するのかというと、浮世の義理である。
何事にも事情というのは存在するのだ。
しかも、マラソンといっても参加するのはハーフだ。

ちなみに、マラソンは中国語で"马拉松"と書く。

外来語としては珍しく日本人が聞いてもすぐ分かる。

いつものパターンだと意訳して別の単語にしちゃいそうだが、
例えば"长跑"だと「長距離走」というジェネラルな意味になっちゃって、
42.195キロという特別な距離を走る感覚が出せないのだろう。

申込書を見ると、正式名称は、
"上海国际马拉松赛"
だそうだ。

2012年11月27日火曜日

読書 红楼梦(3) 青少版

第二回は、女性の主人公である林黛玉が、
実家から離れて遠縁である贾"jia"の家に
引き取られるまでの話が描かれる。

最初は林家とは何の関係もない家の話からはじまるのだが、
その家の一人娘の女の子が突然いなくなってしまって
両親が悲しむ話とかが出てくる。

後に林家に関わる贾雨村という人を登場させるためのエピソードなのだが、
「なぜいきなりこんな悲しい、しかもメインストーリーと
無関係な話ではじめるか」というのがよく分からなかった。

何かの伏線というわけでもなかったし。
まあ、この話全体の結末を暗示している、
という見方は出来るかもしれないが。

第三回は黛玉が贾家に着いたときの話で、男性の主人公である
贾宝玉との最初の出会いが描かれる。

第三回からが本当のストーリーの始まりで、
ここから最後の第五十八回までずっと基本的に贾家と
贾家に関わる家族の話が語られていく。

この「青少版」の(私にとっての)良いところは、各回の最後に、
「人物点击」という題のちょっとした解説、
つまり各登場人物の説明(どういう家庭背景で、
どういう人生を歩むか)が書かれていたことである。

※ちなみに「点击」は「マウスをクリックする」の
 「クリック」のこと

例えば、第三回の「人物点击」は林黛玉の解説だった。
この解説には黛玉が最後にどうなるかまで書いてあるので、
「こんなところでストーリーをばらしてよいのか?」
とも思うのだが、予備知識のない私にはとても役に立った。

2012年11月20日火曜日

読書 红楼梦(2) 青少版

目次を見ると、「第一回」から「第五十八回」までとなっており、
やはり全体として250ページ程度である。

回あたりのページ数は4ページ程度と短く、
さらにその中に挿絵も入っているので、
この程度ならいくら難しくても集中力が途切れずに
回の最後まで読めそうな気がする。

第一回は、導入である。

三国志の最初も仙人みたいな人から始まっているが、これも女性の仙人
みたいな人(女娲的神仙)が最初に出てくる。

この人は、天の欠けたところを石で補修するのだが、
一つだけ魂をもった石が地上(山の中)に落ちてしまった。

この魂を持った石は、たまたま通りがかった和尚と道士が
人間社会の話をするのを聞いて興味を持ち、
「そこに連れて行ってくれ」と懇願する。

経緯はいまいち理解できなかったが、その和尚と道士(仙人とか、
僧という言い方もされていた)は、
仏法を使ってその石をきれいな玉に変えて町に持っていった。


それから長い年月が経ったあと、ある道士が同じ山の中で、
物語が刻まれている石を見つけた。それはあの天から落ちた石だった。
その石は見聞きしてきた人間の物語を刻み込んでいたのだ。

その道士は石に書かれていた物語を書き写し、語り継いでいった。

「红楼梦」は別名「石头记」と言うそうである。

なかなか凝った導入である。

2012年11月15日木曜日

読書 红楼梦(1) 青少版

ちょっと前に「三国志」の青少年向け版に挑戦したが、
今度は「红楼梦」を買ってみた。

いつものように中山公園駅前にある本屋に行って、前に買った「三国志」と
同じシリーズ(中国古典文学四大名著・青少美絵本)のものを
探したのだが、残念ながら置いていなかった。

仕方がないので、別シリーズの「红楼梦」を買った。
これは「四大名著挿画本・青少版」とかかいてあり、
やはり4大古典(三国志、水滸伝、西遊記、紅楼夢)のシリーズとして
出版されている。

「青少美絵本」は「美」が入っているだけあって挿絵がカラーだが、
この「青少版」は挿絵は単色で、装丁も地味だ。

ためしにこの青少版シリーズの「三国志」を中を見てみたら、
全体のページ数が約250ページほどで、
私が読んだ「美絵本・三国志」より100ページぐらい少なかった。
内容も端折られているとみえる。

値段も「青少美絵本」は40元弱なのに対して、
「青少版」は20元弱できっちり半分である。

よく見たところ「青少美絵本」も「青少版」も
「吉林出版集団」という同じ会社がだしているものだった。

こんなに似た本をいくつも出すなんて、
商売的にどうなんだろうというのはちょっと気になったが、
値段が倍も違えば客層も違うのかもしれない。


三国志のときも、ストーリー知識はほとんどなかったものの、
それでも登場人物の名前ぐらいは知っていて多少親しみもあったのだが、
今回は完全に予備知識ゼロからのスタートなので、
前以上に苦労することが予想される。

いちおう、以前中国語の先生(文学好き)から口頭で聞いたところによると、

三国志、水滸伝、西遊記に比べて紅楼夢だけは時代が少し後に書かれたもので、
内容も他の3つは「戦い」がメインなのに対して、
こちらは上流階級の生活や恋愛感情が描かれているので、
どちらかというと女性向きでは。

とのことであった。

別の先生(文学好きでない)は「読んだことないけど、ドラマ化されたものを
ちょっと見たことある」といっていた。

あんまり普通の人が「よく知っている」というほどではないようである。

私自身も私自身も日本の古典文学の知識は全くないので、
偉そうなことはいえないが。