この、ハイコンテクストとローコンテクストの比較の中でよく語られることに、
■日本語(の話される環境)はハイコンテクストだから多くを話さなくても通じる
■英語(の話される環境)はローコンテクストで何でも言葉にするから話す量が多い
というのがある。
だが、このロジックは、中国では成り立たないように思われる。
中国には無口な人はいない、と思われるぐらい中国の人はみんなよくしゃべる。
仕事のMTGでも、とにかくしゃべり続ける人が多い。
やはり、人口が多くて弱肉強食で競争が激しい環境だと、
「いかに自分を主張するか」が重要なので、「相手に時間を与えないぐらい
話し続ける才能」が淘汰されずに残ったから、なのだろうか。
※日本でも時々「相手に話させずに話し続ける才能」を持った人がいるが、
一般的に周りの人の評判はあまりよくないように思われる。
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話はちょっとずれるが...
中国の日常生活(仕事ではなく、買い物とか、レストランとか)で常々感じることは
「遠慮したら負け」と「主張しないものは決して得られない」。
「主張しないものは決して得られない」は欧米も同じだが、
「遠慮したら負け」は欧米とはかなり異なるように思われる。
UKでは、見るからに労働者階級のお兄ちゃんでも、公共の場所での礼儀は
きちんとしていて、「お先にどうぞ」という譲り合いが当然のように
行われる(もちろん例外はたくさんあるが)。
だが、上海でそういうことをやるのは欧米人だけだ(もちろん例外はたくさんある)。
※もちろんUKでも仕事とかでは「遠慮したら負け」という部分は当然あるのだが、
いまは、あくまで日常生活上の話である。
※一方、中国人も友達など知ってる人に対してはある意味欧米以上に
「お先にどうぞ」という態度になる。
なんかこう、マクドナルドでハンバーガーを買うのにも
「人を押しのけないと買えない」のである。並んでいても、
後ろから来た人が次から次へと前に割り込んでくるので、
永久にカウンターに到達できない。
仕方なく後ろから来た人をスクリーンアウトして横入りされないようにする。
しかも、そうしてようやくカウンターの前に来ても、
ちょっと隙を見せると後ろから大声で注文されたりする。
マックの店員も、それに対して「あなたは次だから、ちょっと待て」とも言わず
だまって注文を受けてしまったりする。
だから、カウンターに来た瞬間に注文できるように準備もしないといけない。
ハンバーガーを受け取るころには、もうへとへとに疲れてしまっている。
こういう世界で生まれて育ったら誰でも、生きていくために適応して
混んでいるマックでも、頑張らずに買い物できるんだろうな、と思う。
たまに「ちゃんと並んでる人がいるなー」と思ってみてみると必ず外国人だし。
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まったくコンテクストとは関係ない話をたくさん書いてしまった。
中国語(の話される環境)がハイコンテクストなのは確かだと思う。
日本語ほどではないが、日常会話ではいろんな要素が省略されることも多いし。
また、似た発音の単語が非常にたくさんあるのに、それを正確に聞き分けられるのは、
文脈(コンテクスト)の助けがあるからこそだと思う。
しかし、そのことと実際に話す量が多いかどうかは必ずしも関係はないと思う。
人間は「必要最低限なことだけ話す」わけではないのだから。
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