その後、島の生活が豊かになったことを聞きつけた周辺の島の人々が
どんどん移住してきて社会を形成していき、いきなり話が現実世界に近づいていく。
どんどん移住してきて社会を形成していき、いきなり話が現実世界に近づいていく。
お金の誕生、公共事業をやる意義、周辺の島との貿易、国家の誕生
といった話題の後、国家がどのようにその島の経済をダメにしていくか、という話に移る。
このあたりになると、もう寓話とかそういう感じじゃなくて、
単純に最近のアメリカの経済運営を比喩を使って批判しているだけに感じる。
"伯南柯"という登場人物がでてくるが、これはまんまバーナンキのことだと思われる。
たぶん、作者がいいたいのは、
・経済は良い時期もあれば悪い時期もある
・政治家は選挙民の支持を得るために悪い時期を無理矢理良くする政策をとらざるを得ない
・それが続くと、中長期的には、急激に悪くなる(つまり"崩溃")という形で調整が入る
ということのようだ。
いま欧州で起こっていることも、根本的には同じ話だろうし、
日本も借金が増える一方なのに、政府支出削減も増税もできなさそうだから、
遅かれ早かれ「急激な調整」がはいるであろう。時期がいつになるかだけの問題だ。
ちなみに中国も"中岛帝国"という名前で登場して、
せっせとその島に資金を供給する役割を担っている。
絵が入っていて読みやすかったこともあって、わりと早く読み終えた。
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