あの電車の中にいた女の子が死体で発見されたのだ。
3年前のことがずっと気になっていた高竞は、新聞でその事件を知り、
友達の莫兰と一緒に事件のことを調べていく。
まあ、もうあらすじは書かないことにしよう。
今の時点ではまだ2/3ぐらいしか読み終わってないので、結末もしらないし。
現代の推理小説らしく、事件の話だけでなく、主人公莫兰の家族の話、
高竞の家族の話、莫兰と高竞の恋愛などが重なり合いながら進行していくので、
いったいこれは推理小説なのか?、とちょっと思ったりもしたが、まあ十分推理小説である。
莫兰は15歳で、高竞が20歳、という若干不自然な感じがぬぐえない設定だし、
警察でバイトしている親戚に過去の事件の資料をコピーしてもらうとか、
医者をしている莫兰の父親が過去に世話をしたという理由で、
銀行の人が事件関係者の口座のお金の出入りを調べてくれるとか、
ちょっとあり得ない(中国ならあり得るかも、と思うのも確かだが)方法で捜査を進めるのだが、
その辺はご愛敬、という感じであろう。
この本の中でもっとも面白い登場人物は莫兰の父親である。
すごく頭がよいのだが、常識外れの方法で物事をすすめたり、変なことに異常にこだわったりする。
昔風の本格推理小説に探偵役として登場したらピッタリだと思う。
ただ、 莫兰の恋愛に関しては親らしく、高竞に「莫兰が18になるまで我慢しろ」と言いつつ、
「私も若いときはいろいろあったから」などど二人を暖かく見守っている。
莫兰自身は、非常に頭が良く、料理も上手、しかも可愛い、という、
まあリアリティという観点からはコメントしにくい人物像なのだが、
本の中では、若いがゆえの失敗をしたり、それなりに感情移入することができる。
高竞は「3年も待つのは長すぎる」などと思いながらも、
とてもまじめに言いつけを守る。
まあそうでないと小説にならないだろうが。
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