一方の「凉宫春日」は、これがまためちゃくちゃ読みやすい。
いちおう、念のために書いておくが、
私は以前「凉宫ハルヒ」の名前を聞いたことはあったが、
本は読んだことはなかったし、アニメも見たことはないので、
ストーリーは知らなかった。
なぜ名前を知っていたかというと、 「ゲーム的リアリズムの誕生(東浩紀著)」という本を
読んでいたことと、フジテレビTWOでやってた「平野綾だけTV」を見たことがあったから。
「8分钟」は、1時間で10ページぐらい読めればよい方だが、「凉宫春日」はたぶん倍以上いく。
これは、もともとライトノベルが読みやすいからなのだろう。
たぶん日本語で読んだら1時間ぐらいで1冊読み終えてしまうと思う。
ただ、前回書いた話の逆で、中国の読者は日本の高校での毎日が
あんまり実感できないだろうから、その辺は理解しにくいんじゃないかと思う。
部活動がどういうものか、とか。
「8分钟」でも主要登場人物の" 贺新凉 "がバスケ部だったりして、普通の部活動もあるようだが、
一方、主人公の"顔泽"は「体育部幹事」とかいう役職をやってて、
どんな仕事かよくわからなかった。どうも学校の体育祭(体育节)の時に忙しいようなので、
部活動というより自治会みたいな仕事のようだ。
「凉宫春日」の話に戻る。
この本の主人公は日本語では「キョン」というあだ名で呼ばれているのだが、
翻訳は「阿虚」になっている。阿は名前につける愛称(xxxちゃんと呼ぶ場合の"ちゃん"に
ちょっと近い)なので、キョンは虚、と訳したことになる。
きっとどういう字を当てればよいか悩んだことだろう。
ストーリーとかはネット上にいくらでもあるだろうから書かないが、
小説なのに、まるでマンガを読んでいるような気にさせられるところにもっとも驚いた。
文章の表現形式の問題なのだろうか。
それとも、ストーリーがいかにもマンガ的だからか?
どうでもよいことだが、これを読んで、「セカイ系」や「ハーレムもの」といった
言葉の意味が少し分かった気がした。ついでに言うと、「セカイ系」の元祖というか、
根っこのところには「ドラえもん」があるんじゃないかという気もした。
まあ、ともあれ、もうこの一冊で十分、という感じはある。
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