2012年12月7日金曜日

読書 红楼梦(4) 青少版

物語の舞台である贾家は、その時代の上流階級である。

贾宝玉のお父さんなど成人男性は政府らしきところで働いているらしく、
家にあまりおらず、いっぽう物語はほとんど家の中で進行していくので、
たまにしか登場しない。

でも登場人物自体は多い。

贾家の人だけでも、おばあさんにあたる贾母、政府で働く息子二人、
その奥さん、二号さん、その子供たち(宝玉や
親戚から引き取られてきた黛玉など)がいて、
さらに子供を含む全員にそれぞれ二人ずつぐらい
身の回りの世話をしてくれる女性がつく。

さらに贾家と付き合いがある家族がいくつかあり、
それぞれが同じくらいの規模を持っているので、
足していくともう百人オーダーである。

実は「红楼梦」に登場する人数を合計すると975人だそうだ。
私が読んだ青少版は端折られているからきっともっと少ないと思うが。

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三国志の時もそうだったが、人間関係を理解するのは非常に難しい。

はっきりとした説明がない(暗示するのみ)ように思われるし、
もちろん、私のほうに読解力がないとか、常識がないという部分も大きいと思う。

红楼梦も結局贾家の家族構成さえきちんと把握できないまま読み終えてしまった。
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少なくとも贾家は全くお金に困っていないようだった。

「お金」に当たるものはこの時代「银子」だったようで、
物語の中でも贾家の人が誰かに「银子」をあげる場面がたびたび出てくる。

贾家がどこから「银子」を得るかは書いていなかったと思うが、
政府関係で働いている男性二人がもらっている給料、
ということなのであろう。

最後の方で宝玉も「公務員試験」というか「科举」を受験するわけだが、
「科举」という仕組み、つまり家柄でなく優秀さを客観的に評価するシステムが
こんな昔からあったのは、すごいことのように思われる。

もちろん「科举」で優秀な成績をとるためには、家がある程度裕福(子供が
働かずに家にいて勉強できる時間がある)でないといけないわけだが、
公務員になればこんなに裕福な暮らしが出来るということであれば、
親戚みんなでサポート、というようなケースも多かっただろう。

宝玉が親から「ちゃんと勉強して試験で良い成績を取ってくれ」
などといわれるところは、現代の受験と全く同じである。

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